エクセル家計簿で前月繰越を翌月に引き継ぐ方法(月ごとのシートで残高をつなぐ式)【LibreOfficeで計算して確認】
月ごとにシートを分けて家計簿をつけていると、月が変わるたびに「先月の残高、いくらだっけ?」と前のシートを開いて、数字を手で打ち直すことになりがちです。この記事では、先月の月末残高を、翌月の「前月繰越」に自動で入れる式を、実際に計算して確かめた結果だけで紹介します。
出典: 筆者がLibreOfficeで計算して確認(検証スクリプト: site/verify/carryover.py)。外部サイトの説明は参照していません。Excelでは未確認です。使うのはSUMIFと足し算・引き算だけですが、本番の表に使う前に、数行で結果を確かめてください。
先に結論
- 各月のシートの上に「前月繰越・収入合計・支出合計・月末残高」の4行を置きます。
- 月末残高は
=前月繰越+収入合計-支出合計です。 - 翌月の前月繰越は、前月シートの月末残高のセルを参照するだけです(例:
='4月'!B5)。手で打ち直す必要はありません。 - 最初の月だけは、前月繰越を手で入力します。
シートの作り方
「4月」「5月」「6月」のように、月ごとにシートを作ります。各シートの上部と明細を、次のようにそろえます。
A2: 前月繰越 B2: (4月だけ手入力 / 5月以降は ='4月'!B5 のように前月の月末残高を参照)
A3: 収入合計 B3: =SUMIF(A8:A27,"収入",B8:B27)
A4: 支出合計 B4: =SUMIF(A8:A27,"支出",B8:B27)
A5: 月末残高 B5: =B2+B3-B4
A8以降: A列に「収入」または「支出」、B列に金額
5月のシートのB2には ='4月'!B5、6月のシートのB2には ='5月'!B5 を入れます。シート名に数字や記号が混ざるときは、シート名を ' で囲む形にします(上の例は '4月'!B5)。
明細は1行ずつ「収入」か「支出」を入れる形にしています。区分の文字が表記ゆれ(例: 「支出 」と末尾にスペース)していると、SUMIFで拾えず合計が合わなくなります。区分は入力規則のリストで選ぶ形にしておくと、この失敗を避けられます(入力規則の設定自体は、この記事では検証していません)。
実際に計算した結果
3か月つなげた表を、3つのパターンで計算しました。
パターン1: 通常の3か月(4月の繰越は50,000円)
| 月 | 前月繰越 | 収入合計 | 支出合計 | 月末残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 50,000 | 250,000 | 222,000 | 78,000 |
| 5月 | 78,000 | 250,000 | 261,234 | 66,766 |
| 6月 | 66,766 | 255,000 | 190,000 | 131,766 |
5月の前月繰越は、4月の月末残高(78,000)がそのまま入り、6月の前月繰越は、5月の月末残高(66,766)がそのまま入りました。
パターン2: 赤字の月をはさむ(4月の繰越は10,000円)
| 月 | 前月繰越 | 収入合計 | 支出合計 | 月末残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 10,000 | 100,000 | 130,000 | -20,000 |
| 5月 | -20,000 | 100,000 | 50,000 | 30,000 |
| 6月 | 30,000 | 0 | 20,000 | 10,000 |
月末残高がマイナス(-20,000)になっても、そのまま翌月の前月繰越に引き継がれ、5月の残高は -20,000+100,000-50,000=30,000 で合いました。
パターン3: 入力が空の月を含む(4月の繰越は0円)
| 月 | 前月繰越 | 収入合計 | 支出合計 | 月末残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 5月 | 0 | 1,000 | 0 | 1,000 |
| 6月 | 1,000 | 0 | 0 | 1,000 |
明細が1行もない月(4月・6月)でも、SUMIFは0を返し、エラーにはなりませんでした。6月の前月繰越には、5月の残高1,000がそのまま入ります。
3パターン・9か月分(各月4項目で計36件)すべて、期待値と一致しました。
つまずきやすい点
- 途中の月の数字を直すと、それ以降の月がすべて変わります。 4月の明細を直すと、5月・6月の前月繰越と残高も連動して変わります。これは式の仕組みどおりの動きで、間違いではありません。
- 最初の月(4月)の前月繰越だけは手入力です。ここを空欄にすると0円として計算されます(パターン3の4月で確認)。
- 実際の預金残高との照合はできません。 この式は、入力した収入と支出だけから残高を出します。現金の使い忘れ記入や、手数料の引き落としがあれば、実際の残高とずれます。月末に通帳や財布と見比べてください。
- シートをコピーして翌月を作る方法は、この記事では検証していません。 参照先がどう変わるかは環境によって異なる可能性があるため、コピーしたあとは、前月繰越のセルの式が前の月のシートを指しているかを必ず確かめてください。
注意点: この式ができないこと
- 年をまたぐ引き継ぎ、複数年の通年集計は扱いません。
- 預金口座ごと・財布ごとの残高管理は扱いません(1つの残高だけです)。
- 家計の良し悪しや、節約できる金額の判断はしません。数字は入力した値の足し引きの結果です。
家計簿のひな形が必要なら
この記事の式は、自分で作った表にそのまま使えます。月ごとの収支を費目別に集計するひな形を探しているなら、運営者が作った月間家計簿(Excelテンプレート・400円)があります。1か月分の収支を費目別に集計し、A4で印刷できます。ただし、前月繰越の欄は月ごとに手で入力する形で、前の月のシートから自動で引き継ぐ仕組みではありません(この記事の式を自分で足す形になります)。Excelの確認はWindowsデスクトップ版16のみです。この記事の方法で足りる場合は、買う必要はありません。
増減の割合を確認したいときは、無料の割合・増減率の計算ツールも使えます(入力は外部に送信されません)。費目ごとの前月比の式は、前月比の増減を費目別に出す方法で計算して確認しています。
まとめ
- 月末残高は
=前月繰越+収入合計-支出合計 - 翌月の前月繰越は、前月シートの月末残高セルを
='4月'!B5のように参照する - 最初の月だけ前月繰越を手入力する
- 赤字(マイナス残高)の月も、明細が空の月も、そのまま引き継がれることを3パターンで確認
- 式はいずれもLibreOfficeで計算した結果。Excelでは未確認のため、本番の表に使う前に数行で確かめる
参考にした情報
- 出典: 筆者がLibreOfficeで計算して確認(検証スクリプト: site/verify/carryover.py)